こんにちは!工画堂スタジオ デザイン制作部の新人・清水と申します。
 
本メルマガでは、私自身が工画堂スタジオに入社して発見した『デザイン制作部』の情報を月に2回ほどお届けしております。
 
弊社は、デザイン会社としてはめずらしい創業106年目を迎える長寿企業です。
長年培ってきた実績とノウハウで、数多くの制作物を世に送り出してまいりました。
 
今回はメルマガ番外編として、皆様に、パソコンが無かったアナログ時代のデザイン制作こぼれ話をご紹介いたします!
<第15回配信もくじ>
 
(1)パソコンが無い時代の入稿方法と、今に繋がるメリットとは?
 
(2)コウガドウ雑画店メルマガ特別企画〜『日々』作者に「推し」作品を聞いてみた!〜
(1)パソコンが無い時代の入稿方法と、今に繋がるメリットとは?
突然ですが、皆様にとって、「入稿(※本項では、完成原稿を印刷所にお渡しすることを指します)」という業務は身近なものでしょうか?

 

グラフィックデザインの制作会社である弊社では、入稿作業は必須業務の一つです。

現在はデータ入稿といって、PCでIllustratorやPhotoshopなどのアプリケーションを使って制作した原稿データを印刷会社様にお送りしております。

 

しかし、今から約30年前、パソコンが無かった時代は、デザイン制作も入稿方法も、全て手作業のいわゆるアナログ的手法でした。

それにより、時間と手間のかけ方が現在とかなり異なっておりました…!

 
 

パソコンがまだ無い頃、入稿時には「版下」という、印刷屋さんに製版していただくための黒一色の原稿を、デザイナーが手作りで作成しておりました。

 

カラー印刷では、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(キープレート)の4色の版を重ねて印刷します。

現在では、入稿データから自動的に4色(CMYK)の色の割合が検出されることで4色の版が作成されます。

 

しかしパソコンが無い当時は、色割合の自動検出など無いため、デザイナーが一つ一つの色の配合を全て正確に指定していたのです…!

その細かな色指定を版下上のトレーシングペーパーに書き添えておりました。

『とあるデザイン会社の日々』第19話より。

この時代を通った先輩方は、今も色を見て4色(CMYK)の配合をパッと言えるそうです…!すごい…。

※画像クリックで続きが読めます。

 

【コウガドウでの日々を綴った漫画・『とあるデザイン会社の日々』まとめはこちら】

また、版下作成にあたって必要なものが「写植」です。

 

写植(写真植字の略)とは、写真のように光とレンズを使って文字を一文字ずつ印字する技術のことで、専門の業者さん(写植オペレーターさん)がいらっしゃいます。

 

パソコンが無かった当時は、文字を入れたい場合、スミ入れで手書きするか、写植を使用しておりました。

版下に必要な文字の書体(フォント)やサイズなどを写植屋さんにお伝えし、印字していただいた文字を、切り取って丁寧に貼っていたのです!

 

一文字でも紛失してしまったりすると入稿が遅れてしまうため、とても注意深い作業でした。

『とあるデザイン会社の日々』第11話より。

今ならパソコンで1分未満で文字入力できる内容でも、当時は数時間(写植屋さんに文字を取りに行く時間を含む)かかっていたそうです。

※画像クリックで続きが読めます。

そして、写真については、当時はポジフィルムを版下と共に製版屋さんにお渡しし、デザイナーの指定通りに写真を調整していただいておりました。

 

現在は文字データも写真データもデザイナー自身が様々な加工や調整を施して入稿データを作成しておりますので、写植屋さんと製版屋さんの領域の役割をデザイナーが担うようになってしまった!と言っても良いのではないかと思います。

ちなみに、版下は基本的に原寸で作成しなければならないため、大きなパッケージなどの版下ではB1(1030×720mm)以上のサイズになることもあり、作成するのも持ち運ぶのもとても大変だったそうです。

 

納品のために持ち運ぶ時は、雨が降らないことをお祈りしていたとか…。

↑版下制作に実際に使用されていた当時の道具たちの一部です。

 

このような完全アナログな入稿方法ではなくなったのは、1994〜5年頃のことでした。

いきなり完全デジタルになったのではなく、例えば版下データのみMacで作成し、写真は変わらずポジフィルムで渡すなど、半分アナログ半分デジタルのような時代があったそうです。

 

完全なデータ入稿となったのは、2000年の初め頃でした。

このように、パソコンが無かったアナログ時代の入稿方法では、時間と手間のかけ方が現在とかなり異なっておりました。

 

しかし、このアナログ時代を通ってきたからこそ、弊社は、手から生み出すことや、一つ一つの工程を丁寧に行う大切さをよく知っています。

 

「一品ものを作るのだ」という心がけや、「クライアント様のご要望を叶え、かつプラスアルファのものを出すのだ」という考え方は、デジタルになった現在にも通じております。

 

100年以上続いてきたノウハウと意識の高さが、デジタル経験のみの世代にも脈々と受け継がれ、現在も活かされているのです。

 

 
何か作りたいものがございましたら、ワンストップで納品可能な任せて安心・工画堂スタジオへご相談くださいね♪
 
(2)コウガドウ雑画店メルマガ特別企画〜『日々』作者に「推し」作品を聞いてみた!〜
工画堂スタジオデザイン制作部では、コウガドウ雑画店(コウガドウザッカテン)という 社内デザイナーユニットが描いたオリジナル作品を発信しており、現在4つのコンテンツがございます。
 
今回はメルマガ特別企画として、コウガドウ雑画店で発表されている『とあるデザイン会社の日々』の作者さんに選んでもらった推し作品を皆様にご紹介いたします!
 
 

■とあるデザイン会社の日々

「デザイナーってこんなことをしています」「仕事しながらあれこれ考えちゃう」「デザイン会社の悲喜こもごも」そんなコウガドウでの日々をつづっています。

 

作者である社員Tさんに、『とあるデザイン会社の日々』推し作品を選んでいただきました!

Tさんのコメントとともにご紹介いたします♪

↑「今でもデザインの現場では「版下」という言葉は聞くのですが,ずっとどんなものかイメージできず……。

しかしこの漫画を描く中で先輩デザイナーにその頃の細かい話を聞いてようやくガッテン! 

それとともに「なんという修羅場!!」と戦慄してしまいました。

(今の時代にも違う形の修羅場はありますけどね……)」(社員T)

 

※画像クリックでデザイン昔話「版下と色指定」の続きが読めます。

 今回のメルマガの記事内容がわかりやすくまとまっている漫画です!ぜひ♪

↑「これを見た友人に「そっか,ここもデザイナーの仕事なんだね」と言われ「えっ世間的にそうは思われていなかったの!?」と驚きました。

デザインの仕事というと,華やかな紙面やパッケージを思い浮かべる人は多いと思いますが,こんな縁の下の仕事もしているのです……!」(社員T)

 

【『とあるデザイン会社の日々』公式紹介ページはこちら】

コウガドウ雑画店には、このように数多くの可愛い仲間たちがいます!
使いやすいLINEスタンプだけでなく、バーチャル背景・壁紙など、無償で皆様にお使いいただける、お役立ちコンテンツも盛りだくさん!
ぜひ遊びにいらしてくださいね。
 
コウガドウ雑画店は下記リンクにて随時更新中!
 
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私が入社して発見した工画堂スタジオデザイン制作部の情報は、まだまだたくさんございます。
次回もお楽しみに!
 
お忙しいところ最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
(担当・清水)
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