僕達の戦争。


 その戦いのことを、後にユアン=オンリーはそう表現した。
平和の意味を知らずに平和に酔っていた、少年期の終わりであったのだと。
あの戦争と、あの十四人の女性達が、自分を大人にしてくれたのだ、と。


 人類が宇宙に進出し、数百年目にして始めての、世界戦争であった。
その発端となったのが、惑星連合軍による『惑星ネクタル』侵攻であったことは、よく知られている。
搾取者である地球政府と、反乱者である貧しい宇宙移民達が、ネクタルを舞台に激しい戦いを繰り広げたのだ。
鋼鉄の巨兵『パワーローダー』は、この戦いでも主力であった。
ユアンは友人二人と共に、その戦闘に巻き込まれ、命の危機に陥ったという。
その彼らを救ったのが、一機の青いパワーローダーと、十四人の女性兵達だった。


 これを機会に、少年達はネクタルの戦争を戦い抜いていくことになる。
密林からの脱出行。強制徴兵。故郷の被災。同朋の裏切り。
少年達が挫けそうになるたびに、女達が支えになった。
そして少年達の前では、戦う女達は少女に戻れた。
近代兵器飛び交う戦場の只中で、そんな不思議な関係があったという。



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