時代を超越した技術が投入された、革新的小型兵器「Eシリーズ」。
特殊な有機複合材で構成された軽量超小型ボディはレーダー等の通常探知機で補足することは極めて困難──時代遅れの兵器に変わって新しいテクノロジーを体現している。
Eシリーズの中核となるのは、加速生体状況コンピューターと呼ばれる人型自律コア。このコアの周囲にサイバネティクスにのっとって制御される強化ユニットを装着することで、Eシリーズは、戦車にも戦艦にも飛行機にも潜水艦にもできない多くのことをやってのけるのである。



 
 

●アイゼン 歩兵ユニット装備型
歩兵強化ユニット装備のEシリーズ。
7.62oライフル弾を完全ストップできる特殊ファイバーで全身をコーティング。強化ユニットのパワーアシスト効果により、最大で高度40メートルからのワイヤー無しヘリボーン降下が可能。
携行火器については、戦車強化ユニット等、重火器装備Eシリーズの援護を前提として必要最低限にしぼられている。車載時や行軍時の取り回しのしやすさと、市街地・屋内戦闘重視のコンセプトにより、銃身をコンパクトにまとめた大日本技研製〇式短距離制圧火器「雷閃」を標準装備。

 
   
 

●アイゼン 重装歩兵ユニット装備型
重装歩兵強化ユニット装備のEシリーズ。
4砲身30o機関砲を腕部にマウントし、通常歩兵では携行不可能な重武装化を実現。防弾インナーには特殊セラミックプレートを内装。防御力も通常歩兵ユニットにくらべ数段アップした。地形効果を最大限利用すれば、車両系ユニットにも対抗できる高火力ユニットとなっている。
反面、行軍力は大幅に減退しているため、前線への投入の際は輸送系ユニットとの連携が必須となっている。

 
 

●アイゼン 衛生兵ユニット装備型
衛生兵強化ユニット装備のEシリーズ。
攻撃用武装一切を廃し、他のEシリーズのサポートを受け持つ。搭載されたEシリーズ用の活性剤注入器により負傷ユニットのダメージ修復と、疲労回復が可能。──とくに砲撃系ユニット等の行動力回復の鈍い兵種の場合、円滑な運用を行うために必要不可欠の存在となっている。しかしながら攻撃武装を一切持たないのと同時に防御力も全ユニット中最弱であるため、前線への投入には注意が必要。



 
  ●ネイ 戦車ユニット装備型
戦車強化ユニット装備のEシリーズ。
下腕にマウントされた小型砲塔は、あらゆる種類の対戦車砲弾を発射可能。また上下左右、フレキシブルな稼動が可能となっており、敵発見時の即応性を高めている。
またEシリーズ特有の機体超小型化の実現によって、被発見率と被弾率の劇的な低下が期待され、火力そのものより、そのステルス性能が注目されている。
背部には、射撃指揮用に並列増殖システムにより複製されたミニEシリーズが搭乗する。
  ●ネイ 輸送車ユニット装備型
輸送車強化ユニット装備のEシリーズ。
歩兵系ユニットを多数搭載して前線に輸送可能な装輪装甲車。即応性と機動力を重視し、武装は車体上部の監視キューポラに搭載された重機関砲のみ。オプションとして装甲パッケージやスレート装甲もあるが、今回のトライアル戦闘では使用されていない。
足回りは、マルチプルコントロール・アームによる8輪独立懸架。路上最大速度140km/時、後進最大速度50km/時、路上航続距離650kmの機動性能を発揮する。
  ●ネイ 偵察車ユニット装備型
偵察車強化ユニット装備のEシリーズ。
全地上系ユニット最速の機動力を有し、斥候・砲撃観測から近接戦闘まで臨機応変に行うオールラウンダー。背面ラックにミニEシリーズが搭乗し索敵を担当。光学複合シーカーと高出力バースト通信対応の特殊長距離無線装置を駆使し、戦場の最新情報を逐一後方本部へ転送する地上部隊の中核。
武装は大日本技研製のマシンピストル「神威」をEシリーズ用に調整し装備している。
 

 
  ●ユーリ 自走砲ユニット装備型
自走砲強化ユニット装備のEシリーズ。
コアユニットの持つ高い演算処理能力により、間接砲撃の際、考慮の必要がるあらゆる緒元を計算、瞬時に解析。射撃調整のタイムラグをほとんど生ずることなく、目標発見から砲撃開始への移行が可能である。
また発射される砲弾自体に目標識別能力が備えられており従来兵器と比較し、より高精度のアウトレンジ砲撃を実現。集中運用することで、よりその真価が発揮される。
  ●ユーリ ロケット砲ユニット装備型
ロケット砲強化ユニット装備のEシリーズ。
5本1組のロケットランチャーコンテナを2基搭載。射撃管制システムへの情報入力から1秒以内、あらゆる方向への上下動、高速全周回転が可能。
最新のスーパーMLRSを備え、短時間に集中してロケットを発射。隊列を組み侵攻してくる敵に対して広範囲にわたった攻撃を加え、撃破することができる。また発射されるロケット弾頭部は、目標に応じた様々な弾頭を装備することができる。
  ●ユーリ 対空砲ユニット装備型
対空砲強化ユニット装備のEシリーズ。
近距離地対空誘導弾と対空砲を組み合わせたハイブリッド型対空システム。主武装は各門最大800発/分の発射速度を有する4門の30mm機関砲と、低高度を飛行する目標に対する目視・赤外線誘導型対空ミサイル。
射撃管制レーダーの目標への指向はすべて自動でされるようになっており、Eシリーズコアが戦闘直前にすることは、兵器の選定と発射ロックの解除だけである。

 
  ●ソウカ 戦闘機ユニット装備型
戦闘機強化ユニット装備のEシリーズ。
全天候制空能力を備え、かつ超音速・超低空飛行可能なスーパークルーザー。飛行中はコアユニットの能動的姿勢変化により、従来の航空機では不可能な空中機動が可能。
空中機動力重視の設計のため最高速度およびステルス性は、さほど考慮されていない。しかし機体の小ささから来るRCS値の低さは、副次的なステルス性能を機体にあたえている。
武装は、Eシリーズと同時に開発された専用の新型高速AAMを最大4発装備。
  ●ソウカ 輸送ヘリコプターユニット装備型
輸送ヘリコプター強化ユニット装備のEシリーズ。
歩兵部隊を戦線に輸送し、すばやく展開させた後、搭載火力で援護──という戦術思想のもと、対歩兵用重機関砲モジュールを装備。地形を問わずいかなる所へも進出し兵員を空輸できる本ユニットは、特に機動力に劣る重装歩兵が投入される作戦には欠かせない存在となっている。
飛行能力については、最大上昇率800m/分と攻撃ヘリなみのエンジンパワーを有し、またEシリーズ独自のダブルファンレッグの採用により180度ホバリングターンに2.7秒など、高い空中機動能力も付与されている。
  ●ソウカ 爆撃機ユニット装備型
爆撃機強化ユニット装備のEシリーズ。
戦闘機強化ユニットへの対地兵装の開発が大幅に遅延したために、一端廃棄されていた開発プランを急遽復活させロールアウトしたという、いわく付きの機体。多目的大型誘導爆弾を多数搭載するが、対空戦能力は無きに等しく、ターボプロップとジェットのハイブリッド推進方式を採用しているあたりにも急増感が漂っている。なおターボプロップが使用されるのは、基本的に対潜哨戒時のみ。
 
  ●ヒソカ 戦艦ユニット装備型
戦艦強化ユニット装備のEシリーズ。
双胴フレームに特殊装甲鋼板で覆われた海上航行型遠距離砲撃ユニット。
時代遅れの恐竜とも揶揄されかねない兵種だが、Eシリーズ技術の転用によって実現された艦体超小型化によって再び息を吹き返した。
小型電子熱砲──計18門搭載の高火力はEシリーズ中屈指であり、耐久力の高さと相まって戦場の機動要塞ともいえる存在となっている。
  ●ヒソカ 潜水艦ユニット装備型
潜水艦強化ユニット装備のEシリーズ。
強力な攻撃火器を備え、「深く静かに潜れる艦」という王道をゆくコンセプトをEシリーズ技術の応用により、実現可能な極限まで突き詰めている。
コア部には特殊吸音スーツを装着。脚部にはシュラウドリング付きポンプジェット推進器を装備。キャビテーションの発生を抑え、静粛性をさらに向上させている。武装は高速魚雷搭載の兵装モジュールを腕部に装備。なお背面部に8基のVLSを備えるが、専用の小型SLCMの開発が遅れており、本トライアルで使用は見送られている。
  ●ヒソカ 輸送艦ユニット装備型
潜輸送艦強化ユニット装備のEシリーズ。
兵員、戦車、自走砲等の地上系ユニットを上陸地点まで高速輸送可能なエアクッション型揚陸艇。海上最大速度は約110km。従来型輸送艦の最大のネックであった低速という問題を一挙に解決している。その代償として艦船系ユニットとしては防御力は低い。
艦首に装備された重機関砲により、沿岸部の敵に対し積極的な火力支援も可能。