かりそめの平和は終わり、再び戦いの最中へ

新たな戦いの幕開け

 オムニ連邦とサイフェルト共和国との戦争は停戦条約の締結という形で幕を閉じたかに見えた…。

 …しかし、それは新たな戦いの幕開けに過ぎなかった。

 停戦条約はサイフェルト側に有利な条件で締結された。それは連邦政府が長引く戦争に飽く国民の支持率低下を恐れ、バジル要塞を奪取したのを好機と見て、条約の締結を急いだからである。

 戦争終結に沸くオムニ連邦だったが、政府は有効な復興策を打ち出せず国民は疲弊に喘いでいた。一方、サイフェルトでは大統領ジミー・ブラウンがその地位を磐石のものとすべく、今まで以上の恐怖政治を開始した。彼の親衛隊が逮捕した政治犯は、停戦後から数えても実に300人に上ったという。

そうして自らの地位を固めた彼は、隣国に対して目を向けはじめた。今回の戦争のほとんどはオムニ連邦の国土で行われたため、サイフェルトの国力の衰えは少なかった。しかも、新しい国境線はバジル要塞を境とする西経26度ラインで設定されたため、サイフェルトは結果的に25%も領土を増加させたのである。

だが、それだけでは独裁者の野望を満たす事はできなかった。有望な地下資源のある地区は軒並み連邦側に返還させられたため、慢性的な資源不足になるだろうと予想されたからである。彼は条約の盲点をつき、軍備の増強を開始するよう指令を下すのであった。

 

 それから、9ヶ月が経過した頃…。

 連邦は未だ復興計画が難航しており、各地で不満が噴出していた。 特に国境近くの自治区や州では市民が武力行使に及び、連邦政府派遣の治安維持隊と衝突する事態も発生した。

そんな中、サイフェルト共和国政府は突如、国境近くの少数民族の自治区において、連邦軍による大量虐殺が行われたと発表した。連邦政府はその発表を強く否定したが、サイフェルト側は聞き入れず、治安維持を名目に同自治区に自軍を派遣した。ふいをつかれた連邦の駐屯部隊は自治区から駆逐され、一方的に独立宣言をされてしまう。

連邦は、すぐに軍を派遣して混乱を収めようとするが、サイフェルトも援軍を派遣、全面衝突はまぬがれない状態となるのだった。

 

 一年にも満たない、かりそめの平和は終わった。ここにまた、サイフェルト共和国とオムニ連邦との戦いが始まりを告げたのである。

それとともに、第177特務大隊DoLLSも、フェイエン・ノールの元、再結成される事となり、新たな戦いの渦へと飛び込んでいくのであった。

 

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