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 そうアロイスが呟いた次の瞬間、部屋が真っ暗になった。わずかな光も通さない、真の闇だ。靴音だけが妙に響いていたが――ギィン、という金属音がそれに続いた。
 二日前、銃をウォルシュに向けて撃った時の音と、それは少しだけ似ていた。

「無理だったか」