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 銃を、鞄の中に押し込んだ。気分は最悪だ。

「出て行け。お前にもう用はない」

 結局、シャオリーを殺しはしなかった。
 ためらったわけではない。それが本当の望みなら、叶えてやったほうが優しいとすら言えるだろう。しかし、そうするわけにはいかなかった。

「お前の望みを叶えてやるほど、俺はお人好しじゃない」
「……ウォルシュ」
「黙れ。そしてさっさと出て行け」
「……嫌です」
「殴られたいか?」
「あなたが、私が泣き叫ぼうとも、その手を止めないなら」
「そんなに死にたいのか?」

 今度は、なにも答えない。

「もう一度言う。出て行け」

 シャオリーは、祈るような姿勢のまま、その動きを止めた。